介護医療院は通常の介護福祉施設と異なり、主に長期の療養が必要である患者が、施設サービス計画に基づいて介護や機能訓練、さらに必要な医療行為と日常生活を利用するところです。医療ケアを必要とする要介護1以上の人が利用できます。医療ケアとは喀痰吸引や経管栄養などを行うことを指します。かつて介護療養型病床が2012年度に廃止予定となり、2023年まで廃止延長となったのを機に誕生した施設で、医療機関と介護施設それぞれできなかったことを行う施設です。たとえば通常の介護施設では、インスリン注射やカテーテルなどは看護師が在籍していないところではできませんでした。また、終末期医療や痛みの緩和などもできなかったことです。介護医療院ではどちらも行えるようになっています。
介護医療院には複数の種類が存在し、介護度が重く重篤な疾患を持つ患者が利用する1型、容態が安定しており1型よりもリハビリやレクリエーションを行うことの多い2型となります。介護医療院で介護士が行う仕事は、入浴介助をはじめ、食事介助、排せつ介助、移動介助、レクリエーションのサポートなど、ほかの介護施設とそれほど変わりません。基本的に介護士は患者の介護を行うことをメインとしていますが、医療スタッフが在籍しているため、医療行為に携わることはないです。多くの場合介護士は介護医療院で、患者が施設でよりよい日常生活をするためのサポーターとしての位置づけを強く期待されています。