介護保険施設では適切な福祉サービスを提供できるようにするために設置要件を定めています。介護医療院も介護保険施設の一つなので厳しい設置基準を満たさなければ運営することはできません。その中でも施設の性質上、人員要件が厳しいことが知られています。介護医療院では医療を行いつつ、高齢者などの利用者の生活の場を提供するのが特徴です。医療を日常的におこなえる体制を整える必要があるため、医療従事者の人員要件が高くなっています。介護医療院にはI型とII型がありますが、医師はI型では入居者48人に対して1人、II型では入居者100人に対して1人必要です。看護師の場合にはどちらのタイプでも入居者6人につき1人の設置が必要とされています。
薬剤師やリハビリ専門職も設置する必要があるため、介護医療院では病院やクリニックと同じくらいに医療従事者の人員配置をしなければなりません。さらに介護士の人員要件も厳しく定められていて、I型では入居者5人につき1人、II型では入居者6人につき1人の介護士が必要です。介護医療院は医療施設ではなく、介護を必要とする人の生活の場を提供する目的も大きいのが特徴です。病気の高齢者を受け入れて適切な介護サービスを提供するには十分な数の介護士がいなければならないのは明らかでしょう。そのため、介護医療院では介護士の要求度が高くなっています。介護職として働きたい人にとって介護医療院は人材の需要が高く、魅力的な候補になるでしょう。